巨峰 栽培 技術、品質で常に他県の一歩先を行く山梨県一宮

4月 新芽管理

新梢の勢力は剪定の度合いや発芽率、芽かきの程度、土壌条件や施肥などによって影響されます。適正な新梢の勢力や新梢数は品種や栽培方法(種あり、種なし)によっても大きく異なります。

 

このため品種や栽培方法に合った適正な新梢勢力を維持することが、高品質果実生産には重要なんです。

 

葉は光合成によって同化産物を生産する器官であり、枝梢の生育や果実の生長に重要な役割を担っています。日陰で育ったブドウの葉の光合成能力は、十分に日光を浴びた葉に比べて低くなります。

 

新梢を棚面へ均一に新梢を配置することで、太陽光線を有効利用できるよう配置し新梢の育成が進むよう管理します。

 

【新梢】
 新梢の伸長速度、長さ、葉の大きさ、葉色などは、樹勢(木の状態)を反映しているので、新梢を観察することによって、木の生育状態(樹相)を診断できます。 樹相の良い木では、結実が安定し、果実の肥大や着色が優れ、生産力が高くなり、強勢または、弱勢な木では、花ぶるいしやすく、果実の着色が不良で、生産力が低くなります。

 

【芽かき】
 新梢の成長をそろえるために、強い新梢や弱い新梢は取り除きます。芽かきの時期が早いほど、またその量が多いほど、残した新梢は、旺盛に成長していきます。そのため、樹勢の強い木では、芽かきを遅らせ、芽かきの程度も軽くする一方、樹勢の弱い木では、芽かきを早く、強めに行います。

 

【誘引】
 新梢を棚に固定することで、新梢の強さをそろえ、また新梢への日当たりを均一にする目的で「誘引」を行います。強い新梢ほど、早く誘引します。

 

【摘心】
 新梢の先端を摘み取ることで、新梢伸長をそろえ、結実をよくする効果があります。

5月 花切、房作り

【摘房】
 種なし栽培では結実が安定しているため、早めから摘房を行うことが出来ます。  残す花穂は第1,2花穂のどちらかで、房尻がスラッとして、出来れば下向きの花穂を使います。

 

【房作り】
 花穂が伸びきった開花始め期頃が適期です。全てが手作業なので大変です。

6月 ジベレリン処理、摘粒

摘粒はブドウの栽培管理の中で最も労力のかかる作業であり、この時期に確保できる労働力によって栽培規模が決まってしまうといっても過言ではありません。果房重や房型、果粒肥大などの品質や商品性に大きく関わります。

 

この時期には、前のシーズンから蓄積された養分による生育から、新葉で作られた養分による生育に転換する養分転換期です。健全な木では、新梢の長さ・強さが適度でよくそろい、葉が大きすぎず、葉色もあまり濃くありません。また、花穂が大きく、小花数が多く、副穂の発達も良いのです。

 

【開花と受精】
木の栄養状態が良好で、天候が良ければ、小花の花冠がきれいに取れて、雄しべと雌しべがあらわれます。同時に葯が開いて花粉が放出され、受粉・受精がおこなわれます。

 

【花ぶるい】
花冠が取れずに変色し、受粉・受精しないまま落花する現象のことを花ぶるいといいます。開花期の低温や降雨、花器の不完全、栄養不良、新梢の徒長的成長などが原因で、花ぶるいは起こります。 防止策としては、開花前の摘心、花穂の切り込み、ホウ素散布などで対応します。

 

【ジベレリン処理】
花穂をジベレリン処理することによって、種なし果実にします。ジベレリン処理によって無核になった果房は、有核果房よりも熟期が2-3週間程度早まります。ジベレリン処理は、ふつう、種をなくすためと果実肥大を促すために2回行います。プラスチック容器にジベレリン溶液を入れ、これに花穂を浸漬する方法で行います。

 

【予備摘粒】
摘粒作業の効率化と果粒肥大のために、まず予備摘粒を行います。着粒状況を見ながら、上部支梗を切り下げるか房尻を切り詰めます。その後、内向き果、小粒果、キズ・サビ果などを除きます。

 

【仕上げ摘粒】 
第2回目ジベレリン処理が済みしだい、ただちに行います。房型は、密着した円筒形に仕上げます。果梗が太く、果帯の大きい果粒を中心に、外向き果を配置します。

7月 袋掛け

摘粒前後の6~7月は晩腐病の感染期であり、摘房や摘粒終了後、出来るだけ早くカサ・袋かけを行うことが、耕種的防除として重要です

 

【着果量の調節】
品質の良い果実を生産し、また花芽の形成や貯蔵養分の蓄積を促すため、着果量を調節する必要があります。

 

【摘粒】
摘粒は、結実が確定したのちに行います。小果、変形果、病虫害果、果房の内側の果粒を優先的に除いてゆく作業です。この時期は、梅雨の時期と重なるため、雨に直接触れることにより生ずる裂果を防止するため、摘粒の完了した房から、傘かけを行っていきます。

8月~9月 収穫期

【果実の成熟と品質】
成熟期に入ると、急速に糖度が上昇する一方、酸含量が減少し、果肉が軟化して品種特有の香りを呈するようになります。

 

果実の品質を左右するのは、糖度と着色度でなんです。低日照、着果量過多、新梢の徒長的な成長などは、果実への養分転流を少なくし、糖度の上昇や着色を妨げてしまします。

 

この時期には、健全な木は、ほとんどの新梢が伸長を停止し、葉色がやや薄く、新梢の登熟率が高くなります。こうした状態の木では、光合成による生産物の多くが果実に転流するため、品質の高いとても美味しい果実が出来上がります。

10月 肥料設計 11月~12月 枝の剪定、木の改植、肥料まき、土づくり

秋に落葉した後、芽がふたたび発芽・伸長するには、いちど冬の寒さに一定期間あわせる必要があります。この期間の休眠を「自発休眠」といい、この休眠があけると環境が良ければ発芽します。「自発休眠」が完了する時期は通常1月下旬~2月上旬となります

 

厳冬期を過ぎて、樹液の流動(水揚げ)前に徒長的な結果母枝を中心に芽キズ処理を行うと発芽が良くなります。結果母枝の先端と基部を除いた発芽させたい芽の先端側5~10mmくらいの部分に、結果母枝の直径の三分の一程度の深さ(形成層にかかる程度)に切れ込みを入れます。

1月~2月は剪定

【剪定】
1月2月は剪定(枝を切る)します。余分な枝を切り落とし誘引(枝の方向を決め固定)します。この作業(一番難しい)でその年の収穫量を調整し品質の向上を図ります。

 

切り落とした枝はチップ状に細かくして肥料として利用します。この時期はとても寒いですが、毎年がんばって作業を行います厳冬期を過ぎて、樹液の流動(水揚げ)前に徒長的な結果母枝を中心に芽キズ処理を行うと発芽が良くなります。

 

結果母枝の先端と基部を除いた発芽させたい芽の先端側5~10mmくらいの部分に、結果母枝の直径の三分の一程度の深さ(形成層にかかる程度)に切れ込みを入れます。

 

これで1年の作業は終わりです^^